今日、笠木透さんの歌作り講座があった。
講座といっても、歌詞はこう書けとか、曲はどう作れとかって話は一切なし。
なぜ歌を作るのか、といった歌に向きあう姿勢を問うものだった。
特に今回は、先の震災を経て、改めて「歌をつくる」ということの意味をみんなで考えようという笠木さんの思いから企画された。
笠木さんは、
「人が、苦しいとき、悲しいとき、どうしようもないときに役に立つ歌であるかを、我々は問い続けなくてはならない」
と述べ、小那覇舞天(おはなぶーてん)さんという人の話をしてくれた。
小那覇舞天(おはなぶーてん)さんは、終戦後間もない沖縄の家々を、三線をかついで「さぁ、歌をうたいましょう」といって回った。
みんなが悲しみに暮れ、歌どころではなかったことは容易に想像がつくが、彼は
「あなたはまだ不幸な顔をして、死んだ人たちの年を数えて泣き明かしているのか。生き残った者が生き残った命のお祝いをして元気を取り戻さないと、亡くなった人たちも浮かばれないし、沖縄も復興できないのではないか。さあ遊ぼうじゃないか」
といって家々を回ったという。
とらえ方によっては不謹慎極まりないし、亡くなった人たちが浮かばれないという考えも生き残った人間のエゴかもしれない。
しかし、結果として彼のこの行動は、多くの人々の心を救った。
その他にも、笠木さんはこんな歌も紹介してくれた。
『釜石小学校校歌』
いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは目をあげて
星を目当てに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる
はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときはあわてずに
人間について よく考える
考えたなら はっきり話す
しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる
震災後、釜石小学校は避難所として使われた。
被災者やボランティアの方々、皆で毎朝ラジオ体操の後にこの歌を歌ったと言う。
小学生でもわかる言葉で、人として本当に必要なことが語られている。
私は、作詞者の名前を聞いて「さすが」と思った。
興味のある方は調べてみてください。
歌に向き合うためにブレてはいけない「芯」を学ぶことができた、とても有意義な講座だった。
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